【セラミックスと木材、独自テクノロジーの採用】
MA910SR DCは、MA910SR同様、10mm径グラフェンコートダイナミックドライバーに、独自のセラミックオーディオテクノロジーによる新発想パッシブ型ツイーター「RST」(Reactive Sympathetic Tweeter)を搭載し、クラス最高レベルの広い空間表現を実現しています。そして、MA910SR DCは従来品に搭載していたHDSSを廃し、代わりに樹木の持つハニカム状の孔を吸音材として用いる独自技術「SAHP」(Sound Absorbing Honeycomb Pores)を初採用。そして、今回目的とするサウンドとSAHPの適性がマッチした、日本の北限に育つ「道南杉」をフェイスプレート素材として選択し、拘りのチューニングを施してあります。
【RST(Reactive Sympathetic Tweeter】
Maestraudioブランドが誇る独自の圧電セラミックス技術。「RST」(Reactive Sympathetic Tweeter)は、ダイアフラムの寸法や材質、支持方法により音質をコントロール出来る新発想のパッシブ型セラミックコートツイーターです。ダイナミックドライバーからの音波をダイアフラムに照射して振動を誘発、同軸上から外れても高音が効率的に前方に伝わり、シンバルやオルゴール等のように分割振動を有するのが特徴です。これにより、イヤホンという小型筐体ながらも広いサウンドステージを実現しています。
【SAHP(Sound Absorbing Honeycomb Pores)】
従来、イヤホンに樹木を用いる場合の設計要件は、構造材として筐体に用いることでした。そのため、樹木には硬くて密度の高い材種が選ばれていました。また、同時にユーザーも杢目の詰まったモノを選択したい傾向にありました。このような構造材としての樹木応用とは異なる考え方として、樹木を音響部材として用いることを目的に、樹木の繊維方向をフェイスプレートの水平方向に位置させて、筐体の後気室の吸音レベルを所望の音になるよう最適化する技術が「SAHP*」(Sound Absorbing Honeycomb Pores)テクノロジーです。吸音の効果には音の雑味が消えること、サウンドステージが広がることなどの様々なメリットがあります。特に樹木による吸音は、ヴァイオリンやギターなどの弦楽器の響きをリアルな再現性能が期待できます。ただし、吸音量の効率化には、均一な繊維を持つ樹木の選定が必要であること、そして吸音量の最適化には吸音孔の深さと直径の設計が必要なポイントとなります。*商標出願中
【天然の「道南杉」をフェイスプレート材に採用】
樹木の維管束は細長いハニカム筒の集束体で、顕微鏡で観察すると綺麗なハニカム構造体であることがわかります。故に、木材は比強度が大きい(軽い割には強い)異方性材料として建築材などに多く用いられます。この「軽くて頑強」という特性を構造材として活かしてイヤホンを創るのが従来の考え方でした。一方SAHPテクノロジーではフェイスプレートの吸音量の均一性を持たせるために、樹木の繊維孔の均一化が条件になります。よって基本的には広葉樹ではなく針葉樹が適しています。そこで繊維方向にねじれがあると吸音に不均一性が生じるため、ねじれの少ない弾性に優れた材質の樹木である「杉」を選択しました。Maestraudioでは、日本国内の様々な杉を調達して調査した結果、日本の北限に育つ『道南杉』がSAHPに適していることが判明。そしてMA910SR DCでは北海道茅部郡森町の木工に関する様々な匠の力をお借りして「道南杉」をフェイスプレート材に採択し、樹木の繊維質に影響の少ない塗装を行い、イヤホンとしての音響性能向上を図りました。
●形状:IEM型(耳掛け装着型)●ドライバー:ハイブリッド型:10mm径グラフェンコートダイナミックドライバー×1、9mm径RST(Reactive Sympathetic Tweeter)×1●インピーダンス:16Ω●感度:106dB●周波数特性:20Hz~40KHz●ケーブル長:約1.2m(3.5mm3極 L字プラグ)●ケーブル:シルバーコートOFC&OFCハイブリッド●コネクター:Pentaconn ear●付属品:iSep02シリコンイヤーピース(S/MS/M/L)、本革コードリール、キャリングポーチ●生産国:日本